その風、汚れていませんか？エアコンクリーニングをしない場合の「見えない」健康リスクと最適な頻度

投稿 2025年10月29日　更新 2025年10月29日

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　あんなに暑かった夏も終わり、朝晩は急に寒くなってきました。これから冬にかけて、私たちの生活に欠かせないエアコン。しかし、フィルター掃除だけでは取り除けない内部の汚れを放置すると、エアコンは快適な空間を作る機械ではなく、カビや雑菌をまき散らす「空気を汚染する機械」になってしまうのをご存知でしょうか？
　ここでは、エアコンクリーニングを怠ることで生じる深刻な健康リスクと、あなたの生活スタイルに合わせた最適なクリーニング頻度について、詳しく解説していきます。

◆プロのクリーニングをしないことの深刻な健康リスク

　エアコンの内部、特に熱交換器（アルミのフィン部分）や送風ファンは、冷房や除湿運転の際に発生する結露で非常に湿度が高くなります。ここに、空気中に漂うホコリや皮脂、タバコの煙などが栄養分として付着することで、カビや雑菌にとって最高の温床が完成します。
　この状態でエアコンを運転すると、内部で繁殖したカビの胞子や雑菌が、風と共に室内に放出され、私たちはそれを吸い込むことになります。

◆主な健康リスク

１．アレルギー症状の誘発・悪化
　エアコン内部で最も繁殖しやすいのはカビ（真菌）やダニの死骸・フンです。これらは強力なアレルゲンとなり、空気中に飛散することで、もともとアレルギー体質でない人も含め、以下のような症状を引き起こしたり、悪化させたりします。

　・アレルギー性鼻炎（くしゃみ、鼻水、鼻づまり）
　・気管支喘息（咳や呼吸困難の発作）
　・アレルギー性結膜炎（目のかゆみ、充血）

２．重大な呼吸器疾患のリスク
　特定のカビや細菌は、より重篤な疾患の原因となることがあります。

・夏型過敏性肺炎
　エアコンに生息するトリコスポロンというカビの胞子を吸い込むことで発熱や咳などの症状が出ます。毎年冷房を使用する時期に症状が出る場合は特に注意が必要です。
・アスペルギルス症
　アスペルギルスというカビが原因で、喘息や肺炎などの症状を悪化させる可能性があります。

３．その他、不快な症状
　カビや雑菌が含まれた空気を浴び続けることで、肌荒れや喉の痛み、倦怠感など、漠然とした体調不良の一因となる可能性もあります。

◆どのくらいのペースで行うのが最適か？

　健康リスクを最小限に抑え、エアコンの性能を維持するために、専門家によるクリーニングは定期的に行うことが重要です。

１．基本は「1年〜2年に1回」
　一般的に、エアコンクリーニングは1年〜2年に1回のペースが推奨されています。

　多くの場合、前年に付着したカビやホコリを次のシーズン前にリセットする「年1回」のクリーニングが最も理想的とされています。特にリビングなど使用時間が長いエアコンは、年1回を目標にしましょう。

２．使用頻度や環境によるクリーニング頻度の調整
　エアコンの使用状況や設置環境によって、汚れの蓄積スピードは大きく変わります。以下の条件に当てはまる場合は、1年に1回、あるいは年2回など、頻度を上げることを検討しましょう。

◆自分でできるチェックポイント

　クリーニングのタイミングを逃さないために、以下のサインが出たらプロへの依頼を検討しましょう。

・嫌な臭い
　運転開始時に「カビ臭い」「酸っぱい」などの臭いがする。

・効きが悪い
　設定温度にしても、以前より冷えにくい、または温まりにくいと感じる。

・黒い点
　吹き出し口の奥や風を送り出すファンに、黒い点（カビ）が見える。