エアコンの冷媒とは何?

投稿 2024年3月15日 更新 2024年3月15日

エアコンの仕様で掲載されている冷媒が何か知っていますか?

冷媒ガスは、エアコンが室内の気温を上げたり下げたりする仕組みで使用されている物質のことを言います。物質が液体から気体に変化する時に、気化熱として周囲から熱を奪います。逆に、気体から液体に変化する時には凝縮熱として周囲に熱を放出します。この冷媒ガスが室内機と室外機の間を循環して熱を移動させています。冷媒ガスは、常温下では気体となりますが、圧力を加える事で液体になります。この冷媒ガスの特徴を活用して、暖房時には外の熱を部屋に移動し、冷房時には室内の熱を外に移動させています。また、エアコンだけでなく、冷蔵庫にも冷媒ガスは使われています。

冷媒の種類

1. CFC(クロロフルオロカーボン)

初期の冷房装置や冷温冷凍機、カーエアコン、電気冷蔵庫で使用されていました。
オゾン層への影響が指摘され、モントリオール議定書によって全面廃止が決定されました。
不燃性・無毒性であり、化学的に安定しているため広く使われましたが、オゾン破壊性が問題となりました。

2. HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)

クロロフルオロカーボンの代替として使用されました。
オゾン層への影響は小さいものの、それでも問題となり、2020年に全面廃止が決定されました。
パッケージエアコンやルームエアコンに使用されました。

3. HFC(ハイドロフルオロカーボン)

現在の代替フロンとして活躍しています。
オゾン層への影響は小さいものの、温室効果が高いため、新たな冷媒の開発が求められています。

なお、エアコンでは『R32』という冷媒ガスが使われており、ジフルオロメタン (CH2F2) という化学式を持つ冷媒ガスで、フッ化メチレン、フロン32、HFC32などとも呼ばれています。

R32の特徴

・地球温暖化係数 (GWP) は、従来の冷媒ガス R410A の約 1/3 と低く、環境負荷が低い。
・エネルギー効率が高く、エアコンの省エネ化に貢献する。
・可燃性があるため、R410A よりも注意が必要。
・充填量 が少なく、エアコンの小型化・軽量化に貢献する。

R32の注意点

・可燃性 があるため、取扱には注意が必要。
・圧力が高いため交代圧使用による施工が必要。
・温室効果がHFCのなかで比較的低いが、二酸化炭素の675倍の温室効果がある

日本では、2013年からルームエアコンへの使用が開始され、2020年には家庭用エアコンの新規販売においてR32が主流となりました。

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