エアコンの室外機に塗装（遮熱・耐熱）をする時の注意点は？

投稿 2025年10月9日　更新 2025年10月9日

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　エアコンの室外機を日の当たる場所に設置していたりすると、エアコンの効きが悪くなったり、電気代が高くなると聞いた事がある方は少なくないと思います。そこで、室外機にカバーをかける人も多い事でしょう。また、最近では塗装する方法もあるようですが、注意点やメリット・デメリットも考えられますので、十分に検討の上、行うかどうかの判断をしましょう。

◆室外機塗装をする時の大前提（注意点）

　室外機への塗装は、一般的にエアコンのメーカー保証の対象外となる可能性が高いため、注意が必要です。勝手に塗装をすると、メーカーが想定しない改造行為とみなされ、万が一故障した場合にメーカー保証を受けられなくなるリスクがあります。業者に依頼する場合でも、その業者の施工保証とは別に、エアコン本体のメーカー保証は失効する可能性があることを理解した上で行わないといけない場合があるので、十分に検討の上、行うかどうか判断する必要があります。

◆メリット (効果)

・冷房効率の向上と節電効果
　室外機に直射日光が当たるのを遮断・反射することで、室外機周辺の温度上昇を抑えます。室外機の熱交換器（フィン）の周囲温度が下がると、熱を排出しやすくなり（放熱効率の改善）、エアコンの負荷が軽減されます。結果として、コンプレッサーの稼働時間が短縮され、冷房効率が向上し、電気代の削減が期待できます。
　室内温度が2℃下がると約10%の電気代節約になるとも言われています。

・機器の負荷軽減と寿命延長
　高温環境にさらされる時間が減ることで、コンプレッサーやファンモーターなどの内部部品への負担が軽減され、故障リスクが低下し、機器の寿命が延びる可能性があります。

・安定した冷房能力の維持
　猛暑日でもエアコンがオーバーヒートしにくくなり、安定した冷房能力を維持しやすくなります。

◆デメリットと注意点

・メーカー保証の失効
　前述の通り、最も大きなデメリットです。塗装が原因でない故障であっても、保証を受けられないリスクが生じます。

・コスト（価格）
　遮熱・耐熱塗料は一般的な塗料よりも高価な傾向にあります。費用対効果を慎重に検討する必要があります。

・効果の持続性とメンテナンス
　塗料の遮熱効果は、年月の経過による塗膜の劣化や、表面に付着した汚れ（ホコリ、排ガス、鳥のフンなど）によって低下する場合があるかもしれません。効果を維持するためには、定期的な清掃やメンテナンスが必要な場合もあるでしょう。

・冬場の影響
　遮熱塗料は太陽光を反射するため、冬場は室外機の表面温度が上がりにくくなる傾向があります。ただし、室外機は暖房時には外部から熱を吸収する役割があり、その熱源は主に外気や地熱なので、エアコンの暖房効率自体に悪影響が出るかは一概には言えませんが、理論上は塗料の特性が冬にはマイナスに働く可能性も考えられます。

◆効果の大きさについて

　遮熱塗装の効果は、以下の要因によって大きく変動します。
・直射日光の当たり方
　設置場所や時間帯で直射日光が強く当たる室外機ほど、効果が出やすいです。

・外気温と使用状況
　猛暑日など外気温が非常に高い環境で、エアコンを頻繁に使用する場合に効果が大きくなります。

・塗料の性能と色
　遮熱性能が高い塗料を使用し、特に白系統の明るい色を選ぶことで、より大きな反射効果（温度低減効果）が期待できます。

・エアコンの機種や設置条件
　元々のエアコンの性能や、周囲の風通し、建物の断熱性能などにも影響されます。