夏の終わりは要注意！エアコン掃除を秋にするべき理由と、市販スプレーがNGなワケ

投稿 2025年10月14日　更新 2025年10月13日

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　心地よい涼しさを運んでくれたエアコンですが、猛暑を乗り切った今、そのまま放置していませんか？「エアコン掃除は夏が終わった秋にするのがベスト」と聞いたことがある方もいるでしょう。実はこれ、カビの発生を抑えるためにとても理にかなっているんです。また、多くの方が疑問に思っている「市販のカビ取りスプレーは使わない方が良い」という点についても、メーカーが警鐘を鳴らす理由を深掘りしていきましょう。

◆夏の終わりに掃除すべき！カビが爆発的に増えるメカニズム

　夏の終わり、つまり秋の初めは、エアコン内部の環境がカビにとって最高の繁殖条件になるため、放置は非常に危険です。

・猛暑で溜め込まれた「湿度」と「栄養分」
　夏の間、エアコンは室内の熱い空気を吸い込み、冷やして吹き出しています。この冷却過程で、内部の熱交換器（フィン）には結露が発生し、大量の水が生まれます。

【水分（湿度）】カビが成長するために必要不可欠な要素です。
【栄養分】カビの胞子は、空気中のホコリ、花粉、人の皮脂、そして結露水に含まれる雑菌などを栄養源としています。

　夏のフル稼働で、エアコン内部は高湿度のサウナ状態となり、ホコリなどの栄養分がびっしりと付着した状態になっています。

・運転停止後の温度上昇が最後のトリガーになる
　問題なのは、冷房運転を止めた後です。冷房運転中はキンキンに冷えているため、カビの活動も抑えられています。しかし、冷房を切ると、熱交換器の温度が徐々に室温に近づきます。この「温度（20〜30℃）」と、夏の間溜め込まれた「湿度（70％以上）」「栄養分」が揃うと、カビは一気に活動を開始し、爆発的に繁殖を始めます。
　秋はまだ残暑で気温が高く、湿度も残りやすい時期。この**「高温多湿＋栄養たっぷり」**という環境が、カビの温床となり、本格的な繁殖シーズンとなってしまうのです。

◆掃除をしないとどうなる？

　秋の間に繁殖したカビは、冬の暖房運転で暖められた空気に乗って部屋中にばらまかれます。これは、アレルギーや咳、体調不良の原因になるだけでなく、ニオイの元となり、エアコン自体の寿命を縮めることにも繋がります。夏の終わり、まだ本格的な寒さが来る前の9月〜10月上旬が、カビを根絶するための最後のチャンスなのです。

◆メーカーが警告！市販のカビ取りスプレーが故障の原因になるワケ

　「自分で手軽に掃除したい！」と考えた時に、ホームセンターで売られている市販のエアコン洗浄スプレーに手を伸ばす方も多いでしょう。しかし、多くのエアコンメーカーは、これらのスプレーの使用を非推奨または禁止しています。これは、メーカーの保証外となるほどの深刻なリスクがあるからです。

・洗浄成分が「すすぎ残し」になる
　市販のスプレーの多くは、エアコン内部の熱交換器（フィン）に直接吹き付けて洗浄するタイプです。

【問題点】プロの業者が使用する洗浄剤は、強力なポンプや高圧洗浄機を使って大量の水で徹底的にすすぎ、洗浄成分と汚れを洗い流します。しかし、市販のスプレーは、洗浄液の泡と噴射した量だけで洗い流すことになります。

【結果】洗浄成分や、洗浄で剥がれたカビ・汚れが熱交換器の奥やドレンパン（結露水を受け止める皿）に残留してしまいます。

　この残留した洗浄成分は、新たなカビの栄養源やホコリを吸着する糊のような役割を果たし、逆にカビを再発・悪化させる原因になることがあるのです。

・電子部品のショートや故障
　エアコンの内部には、モーターや制御基板といった水に濡れてはいけない重要な電子部品が多数組み込まれています。

【リスク】スプレーの洗浄液が想定外の箇所（特に熱交換器の上部や奥）に飛び散ったり、すすぎきれなかった水分が電子部品にかかったりすると、ショートを引き起こし、エアコンが動かなくなる、または火災の原因となる危険性があります。

【構造】最近のエアコンは、省エネや高性能化のために部品が複雑に密集しており、素人が手軽に分解・洗浄できる構造になっていません。特に、お掃除機能付きエアコンは構造がさらに複雑で、洗浄スプレーを使うリスクが格段に高まります。

◆自分でできる安全な掃除は？

　市販のスプレーは避け、自分でやる場合は、フィルターのホコリ取りと吹き出し口（ルーバー）周りの拭き掃除に留めるのが最も安全です。

【フィルター】掃除機でホコリを吸い取り、水洗いする。

【吹き出し口】固く絞った濡れ雑巾やウェットシートなどで、目に見えるカビやホコリを優しく拭き取る。

　内部洗浄は、プロのエアコンクリーニング業者に依頼するのが、安全かつ徹底的にカビや汚れを除去する最も確実な方法です。

◆健康とエアコン寿命を守るために

　夏の終わりから秋にかけてのエアコン放置は、カビを育てる行為に他なりません。健康被害や故障のリスクを避けるためにも、この時期に一度、エアコンの状態をチェックし、フィルター清掃だけでも行いましょう。
　内部の徹底洗浄が必要だと感じたら、無理に市販のスプレーに頼らず、プロのエアコンクリーニング業者にお願いするようにしましょう。大切な家電と家族の健康を守るために、ぜひこの秋のエアコン掃除を計画してみてくださいね！