エアコンで夏型過敏性肺炎になる？

投稿 2024年9月6日　更新 2024年9月6日

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エアコンをつけっぱなしにするのが節電に繋がると聞いて、冷やし過ぎないように温度設定に気をつけている方も多いのではないでしょうか？
そんな中、なぜか咳が続いたり、体がダルいという事はありませんか？ こうした夏風邪のような症状が続く場合、それは夏型過敏性肺炎かもしれません。エアコンの使用と夏型過敏性肺炎は、密接な関係があることが知られているとの事ですので、詳しく見ていきましょう。

夏型過敏性肺炎の原因

夏型過敏性肺炎は、エアコン内部に繁殖したカビ（特にトリコスポロン属のカビ）の胞子を吸い込むことで、アレルギー反応を起こす病気です。風邪と症状が似ているため、発症していることに気づかない人も多いようです。夏型過敏性肺炎は、実に、わが国の過敏性肺炎の75%を占めると言われています。

①カビの繁殖
エアコンのフィルターや内部に水滴が残りやすい環境でカビが繁殖しやすくなります。カビは気温20～30度、湿度70％以上の環境で大量に繁殖しやすくなります。

②胞子の拡散
エアコンの運転時に、カビの胞子が空気中に拡散され、それを吸い込むことでアレルギー反応が引き起こされます。

夏型過敏性肺炎の症状

・咳・・・咳が主な症状で、特にエアコンを使用中に悪化することが特徴です。
・呼吸困難・・・息苦しさを感じることもあります。
・鼻水、鼻づまり・・・鼻水や鼻づまりを伴うこともあります。
・発熱・・・発熱を伴う場合もあります。

なお、夏型過敏性肺炎は、放置すると、肺機能が低下し、カビが発生していない場所でも、慢性的に咳や息切れを起こすこともある病気との事で、夏になると毎年、風邪をひく人というは、夏型過敏性肺炎の可能性が高いので、一度、検査をうけてみてはいかがでしょうか。

夏型過敏性肺炎の対策

夏型過敏性肺炎を防ぐためには、エアコン内部にカビが発生しないように次のような適切なメンテナンスが重要です。

①定期的な清掃
　エアコンフィルターの定期的な清掃（掃除機でホコリを吸い取るなど）をしましょう。それでも、カビがひどい場合は、お風呂場などで水洗いをしましょう。自動お掃除機能がある場合は、ダストボックスにたまったホコリも取り除きましょう。
　また、必要に応じて、エアコンクリーニング専門業者によるエアコン内部のクリーニングをすると良いでしょう。

②乾燥
　送風運転はエアコン内部を乾燥させるためカビ予防に効果的です。冷房後はエアコンの内部に水分がたまっているので、送風運転で内部を乾燥させましょう。

③フィルターの交換
　フィルターは、目詰まりすると空気の流れが悪くなり、カビの繁殖を助長するため、フィルター清掃でも目詰まりが取れなかったり、長く使用して古くなってきたら、交換しましょう。

④温度設定
　エアコンの温度設定は、室温との差が大きすぎないようにしましょう。温度差が大きいと、結露が発生しやすくなり、カビの繁殖を助長します。

⑤禁煙
　喫煙は、気道の粘膜を傷つけ、カビに対する抵抗力を低下させるため、禁煙が望ましいです。

その他

・空気清浄機
　空気清浄機を使用することで、空気中のカビの胞子を減少させる効果が期待できます。
・加湿器
　空気が乾燥しすぎると、気道が乾燥してしまい、カビに対する抵抗力が低下するため、加湿器を使用する場合は、適切な湿度を保つようにしましょう。
・買い替え
　メーカーによって、カビが発生しにくいといったような、様々な特長を持った機種が販売されています。そういった特長の新しい機種に買い替えも検討すると良いでしょう。

エアコンは、快適な生活を送る上で欠かせないものですが、使い方によっては健康を害することもあります。
特に、家にいる時間が長い人が夏型過敏性肺炎にかかりやすいとも言われ、ご高齢の方は家にいることが多く、他の世代に比べ免疫も弱くなっていることから、特に注意しましょう。もし、上記のような症状が長く続いたりする場合は、早めに専門医に相談しましょう。