エアコン設置の際の補強材、縦桟（たてさん）とは？

投稿 2025年10月7日　更新 2025年10月7日

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　縦桟（たてさん）という言葉を聞いた事はありますか？エアコンの重量は、数kg～10数kgになるので固定が不十分な場合、落下の危険性が高まります。そこでしっかりとエアコンを壁に固定するための金属製の桟を使います。これは、上下に伸びる補強材なのですが、縦桟（たてさん）について紹介します。

◆縦桟（たてさん）とは

　エアコンを土壁・砂壁などのビスが効きにくい壁に取り付ける際に使用される縦桟（たてさん）は、エアコンの室内機を安全かつ強固に固定するための補強材の事を言います。
　壁ではなく、壁の上部と下部にある強度の高い木部（例：廻り縁や鴨居、間柱など）に橋渡しするようにガッチリと固定されます。
　まず、縦桟という金属製の細長い部材を、頑丈な木部に固定した後、その縦桟にエアコンの据付板をしっかりと固定します。最後に、据付板にエアコンの室内機を引っ掛けて取り付けます。
　これにより、エアコンの重さが壁の弱い部分ではなく、建物の構造上頑丈な木部で支えられるため、土壁や砂壁でもエアコンを安全かつ強固に設置できるようになります。

◆縦桟の効果とメリット

・取り付け強度の確保
　ビスが効きにくい土壁や砂壁、または下地の強度が不足している壁の場合、エアコンの重さに耐えられず落下する危険があります。また、賃貸住宅の場合は、壁に自由にビスを打つ事が出来ない場合に、壁の頑丈な木部（鴨居や廻り縁など）に橋渡しするように固定することで、壁の弱い部分に直接荷重をかけずにエアコンの室内機を固定できます。

・安全性の向上
　エアコンの落下事故を防ぎ、安全な設置を可能にします。

・段差への対応
　壁に段差がある場合など、通常の据付板だけではエアコンの背板が浮いてしまう箇所でも、縦桟を使用することで背板をガッチリと固定できます。

・設置場所の柔軟性
　下地の強度に不安がある和室などでも、鴨居や廻り縁の位置を利用して比較的自由に室内機を取り付けられるようになります。

◆縦桟のデメリット

・美観の低下
　縦桟は一般的に金属製やプラスチック製の細長い部材で、室内機の上下からはみ出る場合があり、見た目が悪くなることがあります。特に和室などの美観を重視する場合には気になる場合があります。（🎨 対策として、縦桟を室内機の幅に合わせて塗装して目立たなくする方法もあります。）

・追加費用
　縦桟は追加の部材となるため、設置費用に追加料金（数千円程度）が発生する場合があります。

・設置可能な位置の制限
　縦桟を固定するための頑丈な木部（桟木、鴨居、廻り縁など）が壁に存在しない場合、縦桟での補強ができず、エアコンの設置自体が困難になる場合があります。

◆設置に関する注意点

・確実な固定
　縦桟は必ず鴨居、廻り縁、または壁内部の太い桟木など、エアコンの重量に耐えられる十分な強度がある箇所に確実に固定する必要があります。また、ねじは緩みがないように確実に締め付ける必要があります。

・室内機の取り付け
　縦桟に固定する据付板（背板）は、水準器などを用いて床に対して水平であることを確認しながら取り付けてください。据付板が傾いていると、エアコン本体も傾き、運転時に発生する結露水の排水が適切に行われず、水漏れの原因となります。

・荷重の確認
　縦桟には耐荷重が定められています。設置するエアコンの室内機重量が耐荷重を超えないように注意し、超える場合は縦桟を追加するなどして補強してください。

・火災報知機との距離
　エアコンの風の影響で火災報知機が誤作動したり、煙を正確に感知できなくなるのを防ぐため、火災報知機から1.5m以上離れた場所に設置することが推奨されています。